日本六古窯のひとつ、愛知県常滑市で活躍する憲児陶苑さんのマグカップ。

憲児陶苑さんの器は全て釉薬を使用していない焼締の陶器です。
こちらのグレーカラーも一度焼成されたものを再度燻すことで作り出されていますが、このマグカップは元々線の部分の白色の土で作られています。

炭化焼成の後、鎌倉彫の山部分を一点一点手作業で削ることで内側の土の白色を表へ浮き出させており、やわらかで温かみのある雰囲気でモダンさも感じさせる器に仕上げられています。

削られた部分の触り心地もいいですが、飲み口部分は細工をせず少し広がった形状にしているので、口に触れた時も使用感の良さを感じていただけると思います。

きめ細かい土を使っているので、長年使っていくほど色ツヤが増していくのも楽しみのひとつです。

釉薬を使わない焼締の器

憲児陶苑さんで作られる器は全て焼締の器です。

水引きのままだと表面に泥漿（でいしょう）がついて練り込みの模様が見えないため、水引きしたものを削って練込模様を出します。

黒や緑などの着色がされているものは、表面に化粧土とよばれるものを塗ることで色を付けています。

練り込みをより愉しめるように

ひとつひとつ手作業で細工をしていきます。

鎌倉彫や飛びかんなを用いてつけられる模様は表情を変化させることはもちろん、手にとったときにも滑りにくく持ちやすくなっています。